(地元での収支)
収 入:出資金 100(以下、単位省略)
支 出: 船 30/クルーの給料(往路分) 20/地元で仕入れた特産物 40
残 金:10(航海中の諸経費に充てる)
やっとの思いで辿り着いた場所は中近東のとある大都市。地中海を過ぎるまでは良かったがそ
こから先は大変だった。片道だけで1年近くもかかってしまったが、それでもなんとかここまでこ
れた。
こちらの言葉はあまり良くわからなかったが身振り手振りで表現しながらニコルは地元で仕入
れた特産物を売りまくった。
ヨーロッパで仕入れた特産物は至極珍しがられ予想以上の高値で売れた。売り捌いたカネで今
度は中近東の特産物を買いあさった。地元ヨーロッパで売るために。
(中近東の大都市での収支)
収 入:地元の特産物売却代金 100
支 出:中近東で仕入れた特産物の代金 100/諸経費 5
残 金: 5(帰りの航海の諸経費に充てる)
行きの旅で苦労したせいか、帰りの旅は随分順調で半年ほどで帰ることができた。地元から少
し離れたヨーロッパの中でも比較的大きな都市で船を止めた。
この航海は成功だっただろうか?ニコルは中近東で仕入れた特産物を売り捌いた。ここでも中
近東の特産物は珍しがられ高値で飛ぶように売れた。ニコルはこの街で船も処分した。
(ヨーロッパの大都市での収支)
収 入:中近東の特産物売却代金 400/船の売却代金 10
支 出:諸経費 5
残 金:410
その後、地元の町に戻りクルーに残りの給料を払った。予想外に儲かったためボーナスも出し
た。儲けのうち4割は税金として徴収されたが、これで地元の町が豊になればそれでいい。出資
者には出資金100を返し当然、配当も支払った。もともとの航海予定は1年だった。航海期間
が半年も伸びたためにニコルの帰りをあきらめていた出資者もいただろう。船が沈めばそれでお
しまい。出資者にしてもそれは同じだったから、みなでニコルの帰りを喜んだ。
とりあえず危険な航海もここで一段落。残ったカネがニコルの戦利品だ。
(地元での収支)
収 入: 0
支 出:クルーの給料(復路分) 20/ボーナス 40/税金 100
配当金 50/出資金の返金 100
残 金:100(戦利品)
ここで、この1年半の航海でのカネの流れの整理と、損益計算書(儲け)を作成してみよう。
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